共食い。

そう迷っているうちに叶と公太がこそこそ話をし始めた。








｢はーい、俺伸がいいと思いまーす。｣









叶が手を上げて伸を見ながらそう言った。









─────────馬路か…。









仕方なく私は立候補を辞めさせざるをえなかった。伸が推薦された後に自分が手を上げるのは後味が悪かったからだ。









｢俺もー。｣









続いて公太もきっちりと伸を見ながら手を上げて結局副は伸に決まってしまった。









秋奈はとくに心配はないけど…、伸かー。なんて考えるだけでも修学旅行が楽しそうに思えなくって落ち込む。









それでも秋奈は勝手に司会を進めていってしまった。