烈「……そのままの意味だ。昔いろいろあったからな。律姉から触れられない限りは触るなよ」
『……あぁ』
朝陽「じゃあ、翼は大丈夫だけど、ボクたちは駄目だってこと?」
烈「ま、そういうこと」
夜月「……なんで翼だけ…」
腕の中の律から香る花の匂いか鼻をくすぐる。
茶髪は風になびいて、彼女の白い頬にかかる。
いつの間にか握られた俺のシャツ。
子どもみたいにキュッと掴んで離しそうにもない。
―――なぁ、なんで俺だけ大丈夫なんだ?
俺を信用してくれるから…?
それとも一瞬の気の迷い…?
答えの見つからない疑問をひたすら巡らせる。

