慧兒の腕を見るだけで痛みと苦痛を感じる。 「……っ」 「……なに」 私は咄嗟に慧兒の頬を引っ叩いた。 だって慧兒の瞳にはなにも映っていないから。 まるで真っ暗な闇のよう。 「慧兒!目覚ましてよ…」 私は泣きながら慧兒を抱きしめる。 「そんなことしないで。自分を傷つけないで…」 私は今の思いを真っ直ぐ慧兒に伝えた。