彼は私を狂愛した。


「そういえば、この近くにクリスマスのイベントやってるんだ。

今から見に行かない?




舜に誘われ、私はふと時間が気になった。



確かにイベント行きたい...。



だけど、慧兒が待ってる...。



「あ、私...」



断ろうとすると舜が私より先に口を開いた。



「今日だけ、魅音ちゃんの時間を俺にください」



「え...」



舜が真面目な顔をして私に言う。




真っ直ぐな目で見つめられたらつい逸らしてしまった。




「魅音ちゃん、俺を見てよ」



フワッと舜に抱きしめられた。



...!






びっくりしすぎて声すら出ない。




だけどずっと抱きしめられているとなんだか暖かくて


幸せな気持ちになった。




「...うん」




私は自然と頷いていた。