カランカラン〜♪
店内に入るとクリスマスムードになっていた。
リースが飾られていたりクリスマスツリーがあったりと
とても可愛かった。
「…み、魅音ちゃん!」
……?
振り向くと後藤くんがいた。
「……」
私は何も言わず目を逸らし
仕事に取り掛かった。
「俺、クリスマスは魅音ちゃんと過ごしたい。たとえ慧兒さんが彼氏でも…イヴだけ俺と過ごしませんか?」
なんで…。
後藤くん私のこと嫌いなんじゃないの?
つい振り向こうとしたけど
遠くからの慧兒の視線にきずき我に返った。
仕事しなきゃ…!
「俺、待ってるから!魅音ちゃんが来るまでずっと!…待ってるから」
どこで待つって言うの…?
やめてよ…そんな
惑わせるようなこと言わないでよ
傷つくのは私なんだよ…
私は一瞬だけ後藤くんの方へ向き言った。
「…悪いけど無理」
私が言われる立場だったらどんなに悲しいだろう。
だけど、自分と慧兒を守るためにはこうするしかないんだ。
「……じゃあ気が向いたら角山公園(かどやまこうえん)に来てくださいね」
今の私の話、聞こえなかったの…?
「はぁ…」
一回大きくため息をつき後藤くんのことを忘れ
仕事に集中した。


