彼は私を狂愛した。


「ん…」


目を覚ますと



レストランの裏にあるソファの上で寝ていた。



丁寧に布団をかけられていて額には濡れたタオルが置かれていた。



「……あ、目覚ました?」



この声…


後藤くん……⁉︎




「な…んで…⁉︎」



ソファから勢い良く降りて外に出ようとした。




「…どうして逃げるの?」



後ろから悲しそうな後藤くんの声が聞こえた。




「違うの…私…」




『慧兒に脅されてるの』



…なんて言えるわけがない。



「……?」



あ…



「ごめん…私、行かないと…」



走って外に出た。