彼は私を狂愛した。


「あ、魅音ちゃん早かったね」


後藤くんはどこか慌てていた。



「うん...お風呂ありがとう」



「ん。じゃあ俺も入ってこようかな」



そう言って後藤くんは頭を掻きながら部屋から出て行った。




後藤くん誰と話してたのかな。


私に聞かれたくないこと...?


ううん、だめだ。


そりゃあ一つや二つ聞かれたくないことくらいあるよね、うん。



私はそんなことを考えながらふと部屋の周りを見渡した。



モノトーンでまとまった清潔感がある部屋。


男の子一人暮らしの部屋には思えない...。



私はテレビの前にあったソファに腰をかけた。