微笑む彼女にぼくは少しだけ考え込む。 愛だとか生命だとか道徳だとか色々な言葉が浮かんだけれどどれもしっくりこない。 「かたちの無いものだからだよ」 そんなぼくの胸の内を読んだように彼女は言う。 春風のようにふわりとした声だった。 きみのいない世界でぼくは生きていかなければいけない。 だけど悲しくなんか、ない。 ぼくのなかにきみに貰ったたくさんの宝物があるから。 誰かに同じものをあげることができるか分からないけど、歩き続けることにするよ。