朝になって目が覚めてもやはり空っぽの餌入れがぽつんと置いてあるだけだった。 バイトが終わってから予定通り彼女の家に行きその出来事を自分でも不思議なくらい淡々とした声で告げる。 何度か家にきたことのある彼女は信じられないという表情を浮かべた。 「そっか。旅に出ちゃったんだね」 「旅?」 死ぬことは終わりだと考えていたぼくは首を傾げる。 彼女はコーヒーのはいったカップを両手で包むように持ちながら頷く。 「きみにたくさんのものをあげたから今度は違う人に同じものをあげにいったんだよ」