きみとぼくと、世界と【短編】



母はなにも言わず腰を上げ餌入れから離れた。


その背中を見送りながら小さくなったな、とか思った。



「この家で一番小さいのはきみだったのにね」



まるでそこにいるかのように呟いてみるが廊下にはぼくしかいない。


餌入れの前に座り込むと入れ物のふちにぱりぱりに乾いたウエットフードがくっついていることに気付く。