卒業して一週間。 川崎のアドレスを呼び出してはメールを削除した。 あと一歩のきっかけを探した。 そんな時街で見かけたシルバーリング。 ホワイトデーに向けて、あちこちが売出しをしていて。 たくさんの商品のなかに燐として飾られたそれは、川崎を思い出させた。 「じゃ、明日な」 半ば強引に約束を取り付けた、三月十三日。 川崎は来てくれるだろうか。