【完】泣き顔スマイル





段差を半分まで上ると

修ちゃんが足を止めた。


「マル、後ろ見てみ」

「はぁ、っ、え」


言われてくるりと振り返る。


わあ。

目の前には星空のような街の灯りと、チカチカ光るイルミネーションの灯り。


修ちゃんを見たら、少し得意げの顔で『すごいでしょ』ってまるで自分の物のように言うものだから、吹いてしまった。


段差に腰掛け、さっき買った
ココアのプルタブを開ける。


最高の眺めだった。

暫しボーッとその景色を見つめる。


「よくこんなとこ見つけたね」

「カメラ好きな友達に教えてもらった」

「すごい綺麗」


肩と肩が触れ合うくらいの距離で

同じ景色を見つめあって

もう、言うことなしだよ。