「…修ちゃんはね感情を表すのが苦手な人だけどでもね、根はすごい優しいの。

いつも相手のことを
考えてあげられる人だよ。


まあ、だからいざってとき相手のことを
思って引いたりしちゃうんだけどね…」



「…だからそうやって必死になるのはモモに限ったことじゃないって?」



コクン、と頷くと

乃愛ちゃんが顔を苦くする。



「私に限ったことだとしても、それは妹みたいに大切とか、そういうことだよ」



今まで一緒に過ごしてきて修ちゃんといい感じになったこと、一度もないもん。


まるで本当の兄妹のような空気になったことは数え切れないほどあるけど。



「ふうん。先輩のこと一番分かってるのはモモだろうから、そのモモが言うならそうなのかもね」



チクン。

やけに冷たい言葉に傷つく胸。



それが顔に出たのか
乃愛ちゃんが私の隣に腰掛ける。