木枯らしが吹きつける寒い冬。

すれ違う人はみなコートを羽織っている。



空は灰色なのに対し

町並みはとても色鮮やかで。


私は寒さに耐えつつ
それをボーッと眺めていた。



手袋とマフラーはもはや必須アイテム。

今日は耳当てもしてきた。


うーさびい。



「モモごめん!!

ほんとごめん何も
言わずまず私を殴って!!」



前方から猛ダッシュで
走ってきた乃愛ちゃんは

会うなり土下座する勢いで謝ってきた。



「だっ大丈夫だよ
30分ぐらいだもん全然平気!」


動揺しつつ手を横に振る。


「30分もじゃん!

あーもうホントごめんねっ」


折角セットしたであろう髪の毛も全速力によってひどいことになっている。


それを手で更に
グシャグシャにさせる乃愛ちゃん。



「わはは。

じゃ、プリクラ代
奢ってもらおうかなあ~」


「200円じゃん!」



久々の乃愛ちゃんとの
お出かけはやっぱり楽しい。