「どうした、マル」



そんなときは決まって

いつも修ちゃんが来てくれたね。



それだけで泣き止むあたしに友達は


あたしが泣くたんびに修ちゃん家
まで走っていって彼を呼んできていた。



もう数え切れないほど

修ちゃんの時間を邪魔してきたと思う。


大きくなった今考えるとそれがどんなに
迷惑なことかよく分かる。



分かっていたけど

それでもあたしは修ちゃん
じゃなきゃダメだったんだ。




「うえー…しゅうちゃあー…転んだぁ…」




泣きべそをかきながら
涙の原因を伝えると

修ちゃんは膝を見て
「あーあ」と困った顔をした。



そうして公園の隅にある

水飲み場まで引っ張られる。


蛇口を捻って少し水を慣らしてから足をだしなって言うんだ。


あたしは素直に従うの。