小さな理由一つで嫌になるほど
大きな声で泣いちゃうくらい。


お母さんはもう6歳なのに
みっともないって叱った。


叱られるたんびに喉が苦しくなって泣くことでしか自分を表現出来なかった。



友達も泣き虫なあたしに

どんどん冷たい目を
向けるようになっていって。



「もう! なんでそうすぐ泣くの!?」

「ヒック…うー…ッ」

「転んだだけじゃん」



当時のお友達は

それはそれは
嫌だったことだろう。


誰も何も悪くないのに、あたしが泣くせいで場の空気はいつも悪くなる。


自分へ向けられる

冷ややかな目が余計に涙を誘う。


止めなきゃ、じゃなきゃ置いてかれちゃう


なんてビクビクして
いたのをよく覚えている。



「ヒック…ヒック…ううう」



だけども意思とは裏腹にちっとも治まらない嗚咽に更に空気が悪くなっていくのを肌で感じた。