「うん。相変わらず無表情で口煩いよ」

「懐かしいなあ〜。

私ね今まで教えてきた生徒の中で修とモモちゃんが一番スキだった。

毎週家に行くの楽しみにしてたんだよ」



美香さんの言葉を素直に
受け取れず曖昧に笑って流しては


クリームソーダを体内に摂取していく。



味なんてもうよく分からない。



「ごめんね回りくどいよね。

家庭教師やめて就職した
今でも考えずにはいられなくて…。


なんであの時モモちゃんにあんなこと言わせちゃったのか。どうして修から目を逸らしたのか考えずにはいられないの」



美香さんは至って
真面目な顔で私に言う。


私はそんな美香さんを恐れていた。


ようやく修ちゃんの中で整理がついてきていたのに、美香さんはそれを一瞬で崩すことが出来る存在だから。