「えー。そんなんより『スキだ』って言われたり、なんなら行動で示されるほうがずっといいよー」


乃愛ちゃんは、お弁当に入っているトマトを頬張りながら、そう断言した。


4時限目を無事に終えた後のお昼休み。


乃愛ちゃんは加えて私に


「モモは本当、健気っていうか
修ちゃん先輩に尽くすよね〜」


なんて、言う。

その通りだから否定せずに頷けば

『モモらしい』と、笑われた。


「いくら幼馴染とはいえ、

女子高生が無防備に寝てたら
少し迫るくらいが丁度良くない?」


「いいよ修ちゃんに迫られたらきっと私昇天しちゃうから修ちゃんもそれを分かってて我慢してるんだと思う」


「こんなポジティブな人見たことない」



それは喜んでいいのかな。

もそもそ、とパンを齧りながら考えるのはやっぱりしゅーちゃんのことで。


私の片思いは気づけば
9年が経とうとしていた。