「マサハルさん……いいかな?」 「……うん」 僕はハナに気取られないように、静かに席を立った。 そして、自分の部屋に入り、暗闇で光る携帯電話を手に取る。 暗い気分を払拭するように、一度、咳払いをすると、柊と久しぶりに話せる感情だけを心の底から引上げて、通話のボタンを押した。