「ひいちゃん、もう来んと?」


ハナは柊をそう呼ぶほど懐いていた。

最近では、方言すら真似をするようになっている。


「ううん。ちょっとね、お勉強が忙しいんだって。だから、ちょっとの間だけ、来れないんだって。ひいちゃんもね、ハナに会いたいよって言ってたよ」


ハナは不服そうな顔をしながら、タオルを畳み続けていた。

神経質なのはシズカさん似なのか、タオルの端と端を何度も合わそうとしている。

だけど、洗濯のしすぎで捩れたタオルは、なかなか綺麗には折り畳めなかった。



三人で正座をし、無言で作業を続ける。

部屋の中にはいつのまにか、湿気が入り込んでいた。