「ウサギ……」 そのハンドタオルには、デフォルメされた、ウサギと思われるキャラクターの刺繍があった。 キャラクター。 こういう子供っぽいものを持つなんて、それこそ柊のキャラじゃない。 「なん? また、今、バカにしたやろ?」 そう言いながら柊は、校庭を見ていた顔をこちらに向けた。 眩しそうな顔をしながら、笑っている。 僕はなぜか、急に柊の顔を見てるのが恥ずかしくなり、慌ててウサギのハンドタオルを目に乗せた。