「あっ! まだ寝とってよかよ。頭、フラフラするやろ?」 僕が目を覚ますと、柊がスポーツ飲料を差し出しながらそう言った。 どうやら僕は、あの時、立ちくらみ、倒れたらしい。 「あ……すみません……」 「ん? よかよ。これも役目やけん」 柊はそう言いながら、水道で濡らしたハンドタオルを僕の額に乗せてくれた。 すっと、火照った部分が解放されるようで心地よい。 だけどそれは、夏の暑さと僕の体温で直ぐに温くなり、僕は裏返そうとハンドタオルを額から剥がした。