一心不乱に草を抜く。
本当は胴長で、川に入ってもみたかったのだが、それは、それが上手い先輩たちの役目で、僕らは女子と一緒に、陸側の除草作業をすることになった。
除草作業とは言っても、生活排水の側に根付く雑草は強く、そして大きい。
僕ら男子は、女子の手に負えないものに出くわすと、何度もそこに駆けつけなければならなかった。
じりじりと、肌の、表に出ている部分を付けねらうかのような太陽に首を焼かれながら、次々に草を引き抜く。
軍手は、土の黒と草の緑に染まっていく。
頬を伝う汗。
僕は曲げ続けて固まった背中をほぐすように、背中を逸らす。
ふと、その姿勢のまま校舎の時計を見ると、丁度、正午を指していた。
「はい。昼休みにしまーす! 各自、水分を十分に摂って、休んでくださーい!」
委員長が大きな声で叫んでいる。
その横で、柊がゆらゆらと揺れている。
(……ゆらゆら?)
僕がそう思った瞬間、僕の視界は真っ暗になった。



