僕は全員を促し、リビングへと行く。
リビングのテーブルの上には、いつのまにか、人数分のコップが用意されていた。
マサハルさんには湯飲みが、ハナはお気に入りのキャラクターのコップが、柊には薩摩切子の来客用のコップが、僕には何故か、サイダーのおまけについてきた、中途半端にリアルな熊の絵が描かれたコップが用意されていた。
「ア、アキラ、ヒ、ヒ、ヒイラギさんに、のみーものを」
なんだよ、『のみーもの』って。
僕はそう思いながら、台所へ向かう。
冷蔵庫の扉を開けると、昨日まで殺風景だったその中は、色とりどりのジュースが何本も入っていた。
きっとマサハルさんが買ってきたんだろう。
僕はその中から、炭酸の入っていないものを選び、マサハルさんのビールと共にテーブルへと運んだ。



