「なん、変なか顔ばして? ウチの言葉のおかしかと?」

「いや、そういうわけでは……」

「ふーん……」


柊はじっと僕の顔を見ている。

僕も柊の顔をじっと見た。


「よか、アンタはウチと来て。一緒にしゅう?」

「えっ! ……はい……えっと……しゅうって何ですか?」


僕の質問に、前を歩いていた柊は立ち止まり、僕の方に回れ右をする。

早歩きで僕の前に来ると、予想を遥かに超えた近さで止まる。

そして、170センチの僕を150センチの小ささで見上げた。


「一緒にしましょう……ってこと」


僕はセルフレームの眼鏡の向こうに見える大きな瞳が、意外に優しい形だという事に気づいた。

艶やかで後ろに束ねた髪の毛と、白い体操服。

腕を組んで僕を見上げる小さい柊を見てると、思わず、つむじを押していた。


「ひゃあっ!」