「じゃあ、行って来るから」 ハナがしぶしぶ、黄色い通園バッグを肩に掛けたのを見、僕は家の中に声を掛けながら振り返った。 そこには、シズカさんとマサハルさんが並び、僕を見ていた。 「アキラ、行ってらっしゃい」 「うむ」 僕はなぜか偉そうなマサハルさんの鼻の穴を見ていたら、ある日の事を思い出していた。