「ほら、アキラ! いつまで寝てんの!」


僕はその声を布団の中で聞いていた。

返事をしないまま起き出し、ベッドに腰掛ける。

窓からは柔らかい光が差し込んで来ていた。


「早く起きなさいって!」


ドアを勢い良く叩き、歩き去る音が聞こえる。

その足音が元気だというだけで、今の僕は嬉しかった。