「……次は博多。終点、博多駅に止まります」 僕らは電車を乗り継ぎ、柊の住む町へと行く。 柊の住む町。 シズカさんがいる町。 博多駅から数駅しか来てない割には小さく寂しげなホーム。 駅前にはロータリーもなく、無造作に横付けしたタクシーの運転手が、ヒマそうにタバコをふかしていた。