その場にいた人は驚いていた。 でも、そんなこと気にせずに綾部を横抱きにして運ぶ。 保健委員の俺の当然の役目でもあると思うし、何より少し綾部陽菜には興味があった。 いつも辛いのに楽しそうに部活をやる姿を見ていたから…。 だから、この機会に少しでも話せれば…と思った。 そして俺は綾部を抱えたまま体育館を出た。 出て行った体育館では部活中なのにキャーキャー騒いでいたりとか歓声をあげていなかったりとか…。