僕は鞄を手に取り、玄関に出た。 「いってきます。」 僕がそう言うと、お母さんが顔を出し、 「…行ってらっしゃい。…あ、ネクタイ曲がってるわよ…」 と、言ってきた。 ネクタイか、 僕みたいな冴えない男には似合ってるよね。 …なおさないでいいや。 お母さんはきっと、僕を心配してる。 友達がいないのも気づいてるはずだ。 でも、それなのに僕を責めないお母さんは、なんて優しいんだろう。