無茶言うなよ

部活で汗を流すことばっかりな俺からしたら、かなり大人びたことを言った彼女は、

「ね、じゃあ次はなにしてほしいと思ってるか、当ててよ」

ジィ、と、俺を見つめ、

「ね?」

静かにそのまま、目を閉じた。

お互い向き合った形に、つい硬直する。

虫のジィジィが、増した気がする。

……これは、……そういうことなんだろうか?

なあ、どうなんだよ?

俺、男だぞ。

そんな風にされたら、ちょっとエッチなっていうか……

『その』ことしか考えらんねぇよ?

いいのか?

初めてじゃん?

こんな、形で……

思いながら、実際に訊いたりなんかできない空気で――

俺はゆっくり、少し顔を傾けながら、首をかがめていった。