無茶言うなよ

左肩側へ流すように結んだ、長い髪。

ショルダーバッグを持つ、華奢な腕と、か細くて小さな、女って感じの手。

落ち込んでるようにみえるのに、百合のようにしゃんと立っている。

横から見た胸の膨らみや、腰から尻にかけてのなめらかな流線形に、いやでもドキドキしてしまう。

彼女は、綺麗だ。それでいて、かわいい。

「だからさ、別れようよ。すれ違いとか、始まる前に」

特に、わざと俺を見ないようにしている、少し頑固なところとか。

俺は、すごくかわいいと思う。

思うから、

「嫌だよ、俺」

手放したくなんかない。