無茶言うなよ

「だって、だってしょうがないじゃん?」

と言っているくせに、その横顔は、苦しそうに見えた。

「だってアンタ、いつも部活部活ってさ……帰りの時間だって遅くなるし、一緒に出掛けるのだって、練習試合とかで潰れるし」

「いや、そりゃあさ……」

なんとか抗議しようとしたけど、彼女が言ったことは本当で、どう切り返せばいいかなんて、わかりゃしない。

追いつめられた犬みたいに、俺はグッと首をかがめた。

見れば彼女は、すらっと立っていた。

やっぱ、ああ、かわいいよか、綺麗なやつだなって、素直に思った。