「着きました」
私はどこに行くのかも知らされず、言われるがままに車から降りた。
「私をどこに連れて行くつもりですか?」
「それは、言えません。着いたらわかりますよ」
男の人は微笑んだ。
いつの間にか、ビルの前まで来ていた。
そのビルは、ホテルだった。ホテルのエレベーターで最上階まで上がり、男の人は、
ーー…コンコン
「颯太さん、鈴音様を連れてまいりました」
はい…?
今、颯太って言った…?
いやいや、颯太はアメリカにいるはず。
モヤモヤしていると
「颯太さんがお待ちです。中へお入りください」
ドアを開け、すぐそこに立っていたのは
間違いなく、颯太だった……ーーーー