「お前…そこまでも人のせいかよ…。確かに確認しなかった俺も悪いけど、一口飲んだ時点で俺は気づいたから止めたよ?なのに静止も聞かず飲んだのは茉莉だよ」 「っ…」 「それなのに記憶ないからって人のせい?虫が良すぎるんじゃない?」 ―初めて見る壱琉の怒った顔。 温厚で優しい彼は、私の前では滅多に怒らない。 そんな彼を怒らせてしまったのは私。 「茉莉がずっとそんなんだと付き合ってらんないよ」 真っ直ぐ射るように私を見た。 ぐさっとその言葉は私に深く刺さる。