「よっ!暮橋!」
さ、佐田くん!?
「さ…純くんどうしたの?忘れもの?」
「ちげーよ!暮橋んち結構遠かっただろ?
だから夜道女の子1人ってあぶねーから迎えにきた!送ってくよ。」
あたし…こんなにイイことあって大丈夫かな?
一生分の運を使い果たした気分。
「あ…でも純くん大丈夫?家は…」
「ん?へーき!へーき!てか遅くなるし行こうぜ?」
佐田くんは手を口元ではぁはぁしながら
あたしにそう言ってきた。
佐田くんたちが帰ったのは9時30分。
今の時刻10時40分だよ?
もしかしてずっと、外にいたの?
あたしは近くにあった自販機に行き
あったかい缶コーヒーを買った。
それを佐田くんに渡すと佐田くんはくしゃっと寒さに負けないくらいのあったかい笑顔で笑いながら
「サンキュー!」
って言ってあたしに手を出した。

