「たつきくん! ありがとう!あたし行ってくる!」 グイッと力いっぱい流れる涙を拭うと屋上をでた。 「あーぁ、背中押しちゃった。 好きなのに…佐田に…渡しちゃった。 でも…そーゆう暮橋さん好きだな。」 誰も居なくなった屋上でただ1人山中竜喜はフェンスにもたれてそう独り言を小さくポツリと言ったのは秘密。 ーーー 佐田くん。 佐田くん。 佐田くん。 人混みをかきわけて探すのは佐田くんの姿。