「あのっ!佐田くん!」
背後から声がして2人で振り返ると
そこには滝澤さんがいた。
自然とあたしの手首から手を離した佐田くん。
ドッと、佐田くんが掴んでいたあたしの手首は一気に熱を放つ。
身体が一気に熱くあつくなるように。
鼓動が更に早くなる。
「何だ?滝澤?俺になんか用か?」
「あの…あのさ!今大丈夫?
あっちで話したいことあるんだけど…」
そう佐田くんに言った滝澤さんは下を向いてモジモジしちゃった。
佐田くんはあたしを少しチラッと見てから
「ここでは話せない話し?」
佐田くんが滝澤さんに言うと
滝澤さんは首を縦にコクコクと頷いた。
あの時のように頬を赤らめながら。
髪をぎゅっと掴みながら。

