千歳side 新見さんの家もダメ。 仕方ない。 伊緒の隣に戻るかな……。 そもそもおかしかったんだ。 いくら居心地がいいからって、 男女が同じ家に住むなんて。 俺が本来いるべきは、 新見さんの家か、伊緒の隣の部屋。 「バカみたいだ……」 口に出してみて、自分が本当に惨めになった気がした。 帰ろう。 そう思い、立ち上がった時、全速力でこっちに走ってくるやつと目があった。 「伊緒……」