千歳が作ってくれていた朝ごはんを食べ、 出かける準備をし、私たちは家を出た。 「呉服屋なんて初めて行く。」 「っつっても、裏社会の人専用の店。 ボスが和服好きだから組織の正装は和服なの。 だから、裏社会で御用達の店。」 「……そなんだ……。」 会話は終わり、だんだん裏道を通り、奥の方へ進んでいく。 人気がない。 「ここ。」 立ち止まり、千歳が指差したのは表向きなんの店かよくわからない店。