伊緒side 放課後。 千歳は昼休みにカバンを持って早退していってしまった。 もしかしたらどこか違うところに行ってしまったのかも…… そう思い、私は帰路を急いだ。 家の鍵は開いていた。 そっと玄関の扉を開け、 部屋のなかを見渡す。 「……千歳……」 返事はない。 私は千歳と陽の部屋のふすまを開けた。