冬とは思えないほど高い体温で、とぎれとぎれ伝えると、宏くんは「えっ」と白い息を吐いた。 マフラー越しでも分かる驚きっぷりで。 「気付いてなかったの? 宏くん」 「え、いや……うん、全然。……マジか」 「宏くんはモテるのに鈍感だよね」 「……うっせ」 窓の外の雪と、おなじいろの息。 おなじいろの、ふたりの耳。 未来は、きっとおなじいろになる。 END.