……………ん?
「どういう────」
「あれ、宏?」
宏くんが目を大きくして立ち止まった。
雪が落ちていく地面を見ていた視線をあげるとそこには、わたしたちとは違う制服を来た女の子。
………宏、って呼んだのは、この子?
「綾、」
宏くんがゆっくり自転車をひいて前にでて、その子の正面に立つ。
髪が長くて肌が白くて足が細くて、大人っぽい綺麗な子。
“宏”と“あや”って、呼び合った。
「…久しぶり、宏」
「おー…。久しぶり」
ゆっくりと、まっしろな雪が降る。
ああ、宏くんの頭にも積もりそう。
宏くんが静かに、げんき?と聞いた。
「元気だよ。宏は?」
「ん、俺も、元気」
顔が見えない。表情は分からない。
けれど。
「……最近、どーなの。アイツと」
この子が、宏くんの忘れられない人、だ。


