先輩に1000円札を持たせドアが閉まって先輩の姿はあっという間に見えなくなった。 な、何だ今の早業。 慌てて携帯の画面を見ると『既読』と書かれていた。 わたしの存在に気づいているのかいないのか、そのまま信号を渡るカイリ。 「ちょ、ちょっと待ってよ!」 わたしは駆け足でカイリを追いかけた。 カイリは家に入るなり、すぐ自分の部屋へ向かった。 もしかして、誤解……してくれた? 「あのっ、さっきの人は……大学の先輩で、別に何も……」 「……あっそ」