「二人ともっ。
朝ごはん食べに行くよ~♪」
すると、こちらを向いてフワッと微笑む美海ちゃん。
美海「待って、紫音。すぐ行くから」
「はーい」
龍君の腕から抜けて、こちらに歩いてくる。
え~と、龍君は放っておいていいの?
けっこう不機嫌だよ??
陸「美海っ。行こー」
海「はーやくー」
美海「ふふっ。今行くわ」
最近ね思うんだけど、
美海ちゃん、よく笑うようになった。
だけどね、まだ……。
まだ、時々、悲しそうな顔をするんだ。
みんな気付いてる。
優悟も
隼人も
慎も
海も
陸も
龍君も
僕も……。
踏み込めない。
美海ちゃんの心に踏み込めないんだ。
深すぎる気がする。
なにかとっても深いんだ。


