闇の向こう側で~あなたの光を~

「なにがあったのかは知らないけどいきなりはないと思うわよ?

今の、普通の子だったら病院行きよ?

もう少し、女子のことを理解して。

男なんかに殴られたら怪我だけじゃ済まないの」





海って男は黙って聞いている。

俯いているから表情は分からないけど…。




「二人が何かあるのはわかった。

だけどね、立ち止まってたら

何も変わらない。


それだけは覚えていて」



私は再びドアに向かった。

だけど、後ろから小さくか細い声が聞こえた。

振り返らず耳を澄ますと、



待てよ…。



と、微かだが聞こえる。


振り返ると



泣いてる……。

双子の子も一緒に。



私はゆっくりと歩みより二人を抱き締めた。

ダメね、泣いてる人は放っておけないのよね。



海「お前は…俺達を、

人として…見て、くれる?」



「人は人なんだから当たり前でしょ」



陸「裏切らない……?」



「二人を裏切る理由がないじゃない」




そう言うと、二人は声をだして泣いた。

私は震えを必死で抑え二人を抱き締めた。





安心して…。

ここには、
二人を裏切る人なんか居ないから。


回りを見て。

こんなにも二人を心配してる。


大丈夫、もう抱え込まないで。





二人が泣き止むとゆっくりと寝かせた。

帰ろうと思い立ち上がったが

そこで意識が途切れた。



あぁ、少し無理しすぎたわね………。