慎「ごめん、入って」
黙ったまま慎の部屋に入り適当に座らせてもらう。
慎の部屋に入るのは初めて。
今どきの高校生の男子を型どったような部屋。
慎が目の前に座って私から話を切り出した。
「何があったの」
慎は少し目線を反らし下を向いた。
言いづらいのかしら。
ならこちらから話をするよう促すのみ。
「慎がメールをするなんて今までになかったの。それが今回はメール。
しかも、あなたの最近の行動が少し不可解なの。みんなも気付いてるわ。
話せないようなことなら始めから私を呼んだりしないでしょう?」
慎「そうだよな。悪い」
「私こそ…」
ごめんなさい、と続けて謝ろうとした。
だけど、慎は顔を上げて私を見据えた。
何かを決意した目。
ここに来て何度もみた。


