「申し訳ありません、海と陸はお母様のもとへは返せません」
するとさっきまで笑っていたのが嘘のように無表情になった。
悠「あなた、大人に逆らう気?痛い目見るわよ。あんまりなめんじゃないわよ」
この人って一体……。
不思議なオーラ…。
「なめてなんかいません。私は至って真剣です。考えた上での私の意見ですから」
悠「あなた、どこの子?ねぇ、菫さん。やっぱり私と仕事しなぁい?儲かるのよぉ?」
危ない匂いがするのは気のせいなのか。
この人は私に何をさせる気なのか。
なにか良からぬことを考えているのは明らかね。
「お断りします。私はちゃんとした仕事に就きたいので」
悠「ふっ、そう。分かったわぁ。今日は帰らせてもらうね。また今度会いましょうね」
彼女はそう言い残して去っていった。


