母親であろう人がニタリと笑う。 そのひとを見た瞬間、海と陸はビクッと体を震えさせ、私に痛いほど抱き付いた。 「あらぁ?綺麗なお嬢さんね。ここには綺麗な方がたくさん居るのね。どう?あなた、お仕事しなぁい?お名前は?」 ダメだわ。 二人の震えが治まらない。 部屋を変える? 二人を放って? でも、震えが少しでも治まるなら……。 「あちらでお話を伺います。場所を変えてもよろしいですか?」 すると彼女はまたニタァと笑い、了承した。