コンコン。
返事はない。
「海、陸。私、美海よ。
今、あなた達の母親と言う人が来てるわ。
下で待っててもらってるんだけど。
どうする?帰ってもらう?それとも……」
話し合う?
そう聞こうとした。だけど遮られる。
バンッ。
ドアが開き、海と陸が無表情で顔を出した。
そして「何しに来たか聞いたの」と聞いてきた。
「聞いてないわ、二人に許可をもらおうと思ってたから」
慎重に言葉を選びながら答える。
決して動揺をしてると悟られないように。
海「じゃあ、帰ってもらって」
「そう、分かったわ」
それだけを告げ、二人はまた部屋に戻った。


